• Women Fighting in Bangladesh
    バングラデシュで戦う女性

Women Fighting in Bangladesh

バングラデシュで戦う女性

大学を卒業してすぐ、男性しかいなかった皮革業界で様々な苦労を乗り越えてきた彼女は、今ではバングラデシュにおける女性起業家の一人です。学生時代のクラスメイトでもあったご主人と結婚。「家族が最優先。でも、仕事も私の子どものようなものなの」と笑顔で話すタニワさん、彼女の経験を通したビジネスにおける女性ならではの強みと課題についてのインタビューです。

男性社会の皮革業界で、多くのご苦労をされたそうですね。

皮革製品製造は男性ばかり。彼らは「なぜここで女が一人で仕事を始めようとしているんだ!」と言わんばかりの拒絶を示していました。原材料調達の市場でも、女であることでひどい言葉を投げかけられることもしばしばありました。今まで女性がいなかった業界なので仕方がないですが、あらゆる手段で嫌がらせを受けました。

精神的にも厳しかったことと思いますが、どのように乗り越えられたのでしょうか。

どんなにひどいことを言われても、自分のビジネスをやるという夢を実現させたい欲求のほうが勝っていました。辛い時もありましたが、「世の中にはもっと辛い経験をしている人もいる。自分の足で歩けるのだから、前に進まなければ。」と自分を奮い立たせました。私にとって、非難や罵倒が大きな原動力になったのです。

私生活では仕事と家庭はどのように両立されていますか。

お互いの夢や仕事を理解しあっているので、うまくやっていけています。優先順位を決めることが大切だと思っていて、夫も私も家族のことを一番に優先するようにしています。仕事は二番。両立の秘訣は、切り替えとバランスですね。 私は仕事には厳格ですが、実は普段はとても感情的です。家族との暮らしをないがしろにする人に、仕事での成功はありえないと確信しています。

ジェンダーに関係なく、活躍できる職場環境を作るためにはどんなことが必要でしょう か。

男性にも女性にも意欲を持って働くことについて考える研修等を設けるのはどうでしょうか。女性に関していえば、やはりお手本となるような活躍する先輩女性社員のストーリー、女性が直面する可能性と課題を具体的に共有することも大切です。家庭にいるのと同じようにリラックスかつ自信を持って女性が働けるようになるのが理想だと思います。女性のエンパワーメントのためには、当事者である女性が社会に存在するジェンダーの壁を乗り越える努力をすることが不可欠だと思います。

女性リーダーの強みは何でしょうか。

一般的に女性は家計をマネジメントし、また家族一人一人の状態を把握する能力に長けています。辛抱強く、慎重に判断する一方、障害にも立ち向かっていける人が多いと思っています。正直に言うと、 個人的には男性より女性のほうがリーダーに向いていると思います。メイド・イン・バングラデシュを世界へ発信していきます。

最後に、タニアさんのモットーと今後の夢を教えてください。

決まったモットーはないのですが、「きっかけを掴めれば、私は成功できる」ということを信じています。今の夢は、バングラデシュの素材で作ったメイド・イン・バングラデ シュの商品を世界中から認めてもらうこと。目の前のチャンスを逃さず、これからも自分の夢を追い続けていきたいです。